皆無・嫌われる勇気

 

久しぶりに口がパッサパサになるくらい緊張した。

あの空間の湿度は20%以下だったんじゃないかという具合に。

私はつくづく表向きの人間ではない。

肝が座っていない。

実は人前で歌っているのが信じられないほどのあがり症である。

昔から変わっていない。

堂々としたいという理想とこのナヨナヨしい現実のギャップは果たしてどう埋めればいいのか。

みんな"素のお前を見せればいいんだよ"と言うけれど、私の素というのは周りの人間が認めてくれて初めて曝け出せるものなのである。

少しでも冷めた目で見られようものなら、好かれもしない嫌われもしないただ当たり障りのない言葉を発するロボットへと姿を変える。

嫌われる勇気とは言うが、そんなものない。

よし!嫌われても気にしないでやるぞ!と思うこと自体がきっとストレスなのだと思う。

なんて弱い生物なんだ。