心の温度

 

私は熱いことを言えない。

心の中には熱い想いがあるのに、いざ発言の場面が訪れると馬鹿にされるんではないかとか、真面目なことを言うのは恥ずかしいんじゃないか、という気持ちが勝って何も言えなくなってしまう。

そうしている内に自分は何も考えていない気がしてきて、自分の考えすらわからなくなる。

だから私は、周りの目を気にせず熱い気持ちを語れる人間を尊敬しているし、そういう人間を馬鹿にしたりはしない。

たまに馬鹿にする人がいるけれど、何にも熱くなれない自分を正当化しているだけなんだろうなと思う。

その度、自分はそっち側の人間ではないのだと少し安心する。

上手く言葉にはできないけれど、きっとやりたいことをやれているし、昔に比べたら言いたいことも言えるようになった。

恥ずかしくてできないことはまだたくさんあるけれど、自分で自分の可能性を狭めないよう、むしろできることを増やしたい。

地味にしぶとい人間、そう簡単に心の熱は冷めないのである。